《入試》令和4年度 神奈川県公立高等学校入学者選抜 学力検査

令和4年度 公立高校入試の合格者平均点

令和4年2月15日に実施された
神奈川県公立高校入試における
共通選抜(全日制の課程)の合格者教科別平均点は,
昨年度(令和3年度)入試に比べ,
 英語…2.5点↓ 国語…4.4点↓ 数学…5.3点↓
 理科…8.8点↑ 社会…10.2点↓
という結果に。

英語国語数学理科社会合計
52.1点61.3点52.9点58.9点62.4点287.6点
↑令和4年度 学力検査 教科別平均点(追検査含む)

50点満点であった平成24年度入試から比較すると,

英語国語数学理科社会合計
68.8点71.0点67.0点62.6点64.2点333.6点
↑平成24年度 学力検査 教科別平均点(50点満点を100点満点に換算)
英語国語数学理科社会合計
54.8点67.8点65.5点66.4点51.1点305.6点
↑平成25年度 学力検査 教科別平均点
英語国語数学理科社会合計
59.6点60.8点51.7点38.6点49.5点260.2点
↑平成26年度 学力検査 教科別平均点
英語国語数学理科社会合計
51.8点64.4点52.6点37.4点50.2点256.4点
↑平成27年度 学力検査 教科別平均点
英語国語数学理科社会合計
43.0点64.7点51.7点46.5点52.0点257.9点
↑平成28年度 学力検査 教科別平均点
英語国語数学理科社会合計
51.9点73.1点63.5点46.9点54.5点289.9点
↑平成29年度 学力検査 教科別平均点
英語国語数学理科社会合計
56.1点65.6点56.0点45.3点41.8点264.8点
↑平成30年度 学力検査 教科別平均点
英語国語数学理科社会合計
49.8点59.1点50.3点61.3点42.5点263.0点
↑平成31年度 学力検査 教科別平均点
英語国語数学理科社会合計
49.4点69.1点55.7点55.9点58.2点288.3点
↑令和2年度 学力検査 教科別平均点
英語国語数学理科社会合計
54.6点65.7点58.2点50.1点72.6点301.2点
↑令和3年度 学力検査 教科別平均点

一時は30点台まで平均点の下がった理科も,
近年,難易度は落ち着いている印象。

またいつ難化するのかは予想できないので,
しっかりと基本の原理原則をおさえることが大切。

学習した基礎知識だけでなく,
その知識と与えられた資料を関連付けながら,
正確に思考・判断をせねばならなかった社会では,
昨年度に比べ,平均点が大幅ダウン。

各科目ごとの分析や動向

マンパワーなので,ひとまずは英語の分析から。
いずれ5教科を更新予定。

令和4年度神奈川県公立高校入試 学力検査問題 共通選抜 英語(昨年より易化)

全体の問題構成や配点などには概ね変化がなく,
例年通り,図表やグラフを活用した読解問題が多く出題された。

問5(条件英作)の問題以外すべてマークシート方式に,
問2(適語補充)の問題も選択形式の問題に変更された。

問1(リスニング問題)

昨年度(令和3年度)まで
(ウ)で出題されていた記述問題がなくなり,
すべて番号を選択するマークシート形式に変更

記述形式の問題がなくなった分,
(ウ)の正答率は向上。
 令和3年度 1:26.9% 2:47.4%
 令和4年度 1:70.9% 2:72.3%

問2(適語補充問題)語彙

昨年度(令和3年度)までは,
対話文中の空所に,頭文字の指定された英単語を,
語数指定のもと記述する問題であったが,
すべて番号を選択するマークシート形式に変更。

記述形式でなくなった分,
全体的な正答率はある程度向上。
 令和3年度 (ア):64.2%(イ):55.0%(ウ):52.2%
 令和4年度 (ア):63.1%(イ):75.2%(ウ):70.9%

問3(適語選択問題)英文法

(ア) 正答率 73.8%
主部の長い英文において,
適するbe動詞を選択する問題。
主語がOneであることを捉えられれば,
2秒で解ける
問題。
※神奈川県ではよく出題されるタイプ。
(イ) 正答率 79.0%
likeの最上級に関する語句を選択する問題。
(ウ) 正答率 81.0%
関係代名詞が導く形容詞節の中で用いられた,
受動態の動詞を選択する問題。
※中学3年生の肝となる,難しいとされる英文法だが,
 正答率は4問の中だと最も高い
(エ) 正答率 66.6%
現在完了進行形の用いられた英文において,
副詞句(文末)を構成する前置詞を選択する問題。
高校範囲から新しくおりてきた英文法単元だが,
 直後に「時刻」がきていたことにより,
 他の選択肢にしてしまった受験生が多かったか。

中学1年生~3年生までの英文法単元に関わる問題が
満遍なく出題
された。
基礎をしっかりと抑えておけば,
それほど難易度は高くない問題。

問4(語順整序問題)

(ア) 正答率 55.0%
受動態を用いた英文。
前置詞asの使い方が大切であった。
(イ) 正答率 65.3%
目的語にto不定詞をよくとる
一般動詞wantの過去形の疑問文
(ウ) 正答率 22.0%
疑問詞+主語+動詞の形をとる
間接疑問文を用いた英文。
疑問詞のセットのつくり方や,
主語+動詞の語順が大切であった。
※2~3語で1セットの疑問詞になるものは,
 受験生のミスが非常に多い。
(エ) 正答率 25.5%
高校範囲から新しくおりてきた,
I wish+仮定法過去形
の英文。
熟語be good at~
比較級に変化させる知力も必要であった。
※聞いたことのあまりない表現を,
 英文法構造の観点から当てはめられるか
 が肝となる。

中学2年生~3年生までの英文法単元であったが,
感覚英語では正答を得られない問題になっていた。
令和3年度より合格者正答率は軒並み減少。

問5(条件英作問題)

正答率 13.3%
イラストや前後の対話の内容に加え,
条件で指定されたitとlongという英単語を参考に,
「そこまで行くのにどのくらいの時間がかかったのか」
という疑問文を英作する問題。

「(時間などが)かかる」の意味をもつ一般動詞takeや,
【時間】や【期間】を尋ねる疑問詞how longに加え,
時制を意識した正確な英作文をすることが大切であった。

過去5年間において,令和2年度と並び
最も低い正答率となった。

毎年のように,
各設問の正答率の中で最も低い問題なので,
TOP校や重点化のある高校を目指していなければ,
 ❶ 試験時間残り5分でも見直しを優先
 ❷ 迷うくらいなら他で確実に得点を得る
などの勇気が必要である。

問6(グラフや図表の長文読解問題)

本文の単語数:702語
 ※チラシやグラフ内の英単語も含む
設問の単語数:169語
 ※選択肢の英単語も含む

令和4年度入試 英語【問6】で用いられた英単語数

平成30年度以降,5年連続で「環境」に関する長文が出題。

年度トピックや話題
平成30年度海岸ゴミ
平成31年度食料自給,CO2排出
令和2年度レジ袋やエコバッグの利用
令和3年度食料廃棄物
令和4年度商店街のゴミ問題
クラウドファンディング
各年度の英語長文読解(問6)における長文のトピック

(ア) 正答率 58.9%
本文の大意・文脈を理解し,
適する位置に適する内容の英文を補充する問題。
パラグラフ(段落)ごとの書かれている内容を
把握しながら読み進めることが大切。
(イ) 正答率 54.2%
文脈に適するように,
適する内容の英文を補充する問題。
筆者の考えに関する内容の英文を選択するので,
筆者の意見に焦点をあてた内容理解が大切。
(ウ) 正答率 30.8%
本文の内容に関する内容一致問題
それぞれの選択肢の英文の内容に対して,
一致・不一致を細かく正確に判断することが大切。
グラフの正確な読み取りも必要。

問7(短文対話文読解問題)

本文の単語数:589語
 ※価格表やスケジュール表内の英単語も含む
設問の単語数:37語
 ※選択肢の英単語も含む

令和4年度入試 英語【問7】で用いられた英単語数

(ア) 正答率 34.2%
対話文の内容と,価格表の金額を参考に
適するTシャツのデザインを選択する問題。
話題にされているTシャツのデザインが,
どのデザインに関するものなのか,
そのデザインに対して賛成なのか,反対なのか
などを正確に読み取ることが大切。
※表の下に書かれている情報も,
 逃さずにチェックせねばならない。
(イ) 正答率 52.6%
対話文の内容と,2人のスケジュール表を参考に
2人が音楽祭に行く日付を選択する問題。
曜日時間に着目をしながら,
表や対話文の内容を正確に読み取ることが大切。

どちらも中学生にとっては馴染みの深い話題なので,
情景を思い浮かべながら読むと
内容が入ってきやすいはず。

さらに,
大切なキーワードや情報に関してはメモをとる
などの初歩的な解き方も大切。

問8(長文対話文読解問題)

本文の単語数:694語
 ※チラシやグラフ内の英単語も含む
設問の単語数:286語
 ※選択肢の英単語も含む

令和4年度入試 英語【問8】で用いられた英単語数

(ア) 正答率 42.2%
対話文の中で説明されている
グラフの組み合わせを選択する問題。
グラフが示している内容を説明している部分
対話文内から,正確に読み取ることが大切。
(イ) 正答率 45.9%
文脈に適するように,
適する内容の英文を補充する問題。
主人公が望んでいる内容を選択するので,
彼らの対話の内容から望みを読み取ることが大切。
(ウ) 正答率 41.9%
本文の内容に関する内容一致問題
それぞれの選択肢の英文の内容に対して,
一致・不一致を細かく正確に判断することが大切。

英語 時間配分や目指したい処理速度

英語の読解スピードの指標にWPMがある。

WPMとはWords Per Minuteの略で,
「1分間に読み進めることのできる単語数」
を表す。

公立高校入試の場合,
問1のリスニングで*約10分。
全体の見直しで3~5分の時間を残すとすると,
問2~問8までにかけられる時間は
約35~37分

*解き方の工夫をすれば,
リスニングの時間を
1~2分程短縮することは可能。

問2~問8まで,
令和4年度の入試換算で
23問のマーク式の回答と
1問の条件英作文。

マークをする時間,
英作文を書く時間として,
余裕を持って約5分とすると,
問2~問8までに充てられる時間は,30~32分程
である。

問2以降の問題で,
本文やグラフ・表,選択肢を含め,
計2857語(令和4年度入試参考)の英語を処理
せねばならない。

迷うことなくスラスラ問題を解けたとして,
89~95WPM

各設問に対してじっくり取り組みたい場合は,
100~130WPMが目安の指標となる。

是非受験生の皆さんには,
100WPM以上を目標として,
英語長文読解に慣れ親しんでほしい。

「その目標達成のために
どのような勉強をすればいいのか」
に関しては,
夏休みくらいの時期にコラムにて記載予定。
乞うご期待!

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