第1講:英文を「読解」するための要素の把握

〔目次〕

英文を構成する5つの要素

まずおさえなければならないことは,
《英文を構成する要素・成分は5つしかない》
ということです。
その5つをまとめておきます。

省略記号表している意味語の説明
SSubject(主語)英文の主役となる言葉
VVerb(述語動詞)動作や状態を表す言葉
OObject(目的語)動作の対象となる言葉
CComplement(補語)主語や目的語の補足説明をする言葉
MModifier(修飾語)何かを修飾する言葉(いらない要素)
英文を構成する5要素
S(主語/Subject)
Quizの解答・解説はこちら

《解答》1. She
    2. My mother
    3. My brother and I
    4. you
    5. you
《解説》3.のように主語(主役)は複数になることもあります。上に例文は出していませんが,
 It rains a lot in June in Japan.
のように人以外のモノ,Itが主語(S)になることも勿論あります。

平叙文(肯定文や否定文)であれば,基本的には主語(S)は文頭です。
しかし疑問文の場合は4.のように文頭ではなく,文中にきますよね。

一番ドキッとしたのは5.ではないでしょうか。
これは【命令文】です。
命令文は「相手に直接行動を命令する文」ですから,主語(主役)は話し相手(=you)になるわけです。
英語では(日本語でもそうですが)明らかなものは省略しますよね。


V(述語動詞/Verb)
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《解答》1. drink
    2. was running
    3. mustn't be used
    4. should have got up
    5. would - be accepted
《解説》少し和訳のしづらい英文もあったかもしれませんが,
要素の把握に和訳はまったく必要ありません。

要素の把握で間違ってほしくないのは
《和訳》→《要素の把握》ではなく
《要素の把握》→《和訳》です。
※要素を把握しない限り和訳は不可能ですのでご注意ください。

述語動詞は2語以上になることがあります。
特に2.のようなbe動詞+-ing形や,3.~5.のような助動詞も1セットで述語動詞になります。


O(目的語/Object)

簡潔にいうと,「動作の対象となる言葉」です。
要素でややこしくなってくるのはここからですが,
目的語は「何を[に]」「誰を[に]」の役割
担っています。

一つ例を見てみましょう。
※わかりやすく和訳も記載しています。

I took.
「私は撮ったんだ/私は連れて行ったんだ」

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《解答》1. a lot of pictures
    2. me
    3. me / this fountain pen
    4. the oak tree
    5. an antique shop
《解説》takeは目的語に「写真」をとれば写真「を撮る」の意味になるし,
目的語に「人」をとれば人「を連れて行く」という意味にもなります。

buyという動詞は,目的語に「人」と「モノ」を同時にとることができます。
いわゆる二重目的語と呼ばれるものです。
※少し複雑な内容ですが,
《何かを受けとる側を表す目的語》を《間接目的語》といい,
《主語がする動作の直接の対象となる目的語》を《直接目的語》と呼びます。

どういう意味かわからない人がいるのが5.じゃないでしょうか。
実はrunという動詞は「〔人や動物が〕走る」という意味の他,
「~を運営[経営・管理]する」という意味があります。

Jamesの-sは複数じゃないので注意ねwww


C(補語/Complement)
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《解答》1. an attorney
    2. exhausted
    3. great
    4. sick
    5. open
《解説》attorneyはあまり見聞きしたことのない人もいるかもしれませんが,「弁護士」という意味。
「弁護士」ってlawyerじゃないの?
※少し余談ですが,実は使い分けがあります。
lawyer=法律を専門とする職業全般を指す。裁判所で弁護士として働かない場合は,司法試験に合格する必要はなし。
attorney=司法試験に合格した人で,裁判所において弁護士業務を担う,専門職業人としての代理人を指す。

2.~5.あたりが少し難しいかもしれません。
2.ではexhausted「疲れ果てた」という状態を表す形容詞が、主語Heの補足説明をしてくれています。

3.ではSoundsの主語(That)が省略されています。
Thatは前文の提案された内容を指す代名詞になります。
この内容がgreat「素晴らしい」という形容詞で補足説明されています。

4.では目的語himの状態を、直後の形容詞sickが補足説明してくれています。
彼は何を食べたんでしょうね。気になるところですが…

特に5.のopenは「動詞じゃないの?」と思った方もいるのではないでしょうか。
このopenは「開いている」という状態を表す形容詞です。
目的語the doorの状態を補足説明してくれているわけです。


M(修飾語/Modifier)
Quizの解答・解説はこちら

《解答》1. in the park / every day
    2. at breakfast
    3. toward me
    4. early / this morning
    5. often / to the zoo / when I was a kid
    6. as a birthday present
    7. old / to build a kennel
《解説》前置詞句(前置詞が導く《前置詞+名詞》のかたまり)や時を表す言葉はすべて修飾語句の扱いです。
別に場所を表すin the parkや時を表すevery dayって,なくても英文自体は成り立ちますよね。

oftenなどの頻度を表す副詞も修飾語です。
when I was a kid「子どものころ」という接続詞節も,なくても英文自体は成り立ちます。

7.のto不定詞句(to build a kennel)もあくまで理由を説明してくれているだけ。
別になくても,核として言いたいことは伝わるわけです。
またoldという形容詞も,womanという名詞を修飾しているだけです。
主語(S)の一部として用いられている(厳密に言えば主部の一部)語句ですが,
この形容詞も厳密に言えば修飾語(M)になります。


第1講のまとめ~重要事項~

省略記号担える品詞語の説明
S(主語)《名詞》相当の語句英文の主役となる言葉
V(述語動詞)be動詞や一般動詞動作や状態を表す言葉
O(目的語)《名詞》相当の語句動作の対象となる言葉
C(補語)《名詞》《形容詞》相当の語句主語や目的語の補足説明をする言葉
M(修飾語)《形容詞》《副詞》相当の語句何かを修飾する言葉(いらない要素)
英文を構成する5要素とそれぞれの品詞

英文法特講の目次~第1章~

今回は,

「第1章 英文を構成する基礎・基盤」
第1講 英文を「読解」するための要素の把握

について解説してきました。

ではまた, 第2講 品詞の分類とそのはたらき でお会いしましょう。 

第1章 英文を構成する基礎・基盤

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