第1講:英文を「読解」するための要素の把握
今ご覧いただいている記事は,
第1章 英文を構成する基礎・基盤
第1講 英文を「読解」するための要素の把握
のページです。
「英語を話せるようになりたい」
「英文法を本気でどうにかしたい」
「今のままでは志望校合格に不安が…」
という方は必ず最初にお読みください。
〔目次〕
目次から飛ぶこともできますが,
しっかり上から順に読み進めてください。
- 英文を構成する5つの要素
S(主語/Subject)
V(述語動詞/Verb)
O(目的語/Object)
C(補語/Complement)
OとCの見分け方
M(修飾語/Modifier) - 第1講のまとめ~重要事項~
- 英文法特講の目次~第1章~
第1講 英文を「読解」するための要素の把握
第2講 品詞の分類とそのはたらき
第3講 句や節とそのはたらき
第4講 文型(文の型の分類)
第5講 自動詞と他動詞
英文を構成する5つの要素
まずおさえなければならないことは,
《英文を構成する要素・成分は5つしかない》
ということです。
その5つをまとめておきます。
省略記号 | 表している意味 | 語の説明 |
S | Subject(主語) | 英文の主役となる言葉 |
V | Verb(述語動詞) | 動作や状態を表す言葉 |
O | Object(目的語) | 動作の対象となる言葉 |
C | Complement(補語) | 主語や目的語の補足説明をする言葉 |
M | Modifier(修飾語) | 何かを修飾する言葉(いらない要素) |
すべてはこの表に詰まっていますが,
1つずつ細かく見ていきましょう。
S(主語/Subject)
簡潔にいうと,「英文の主役となる言葉」です。
多くの場合は文頭に置かれ,
「誰が[は]」「何が[は]」の役割を
担っています。
【Quiz】以下の例文において,S(主語)にあたる語句を選んでみましょう。
1. She runs in the park every morning.
2. My mother cooked dinner for us last night.
3. My brother and I have been busy since this morning.
4. Hey, can you carry these boxes for me?
5. Be quiet.
(ところどころ上記のようなQuizが出てきます。
頭の中で答えを出しながら読み進めてください。)
単数・複数関わらず,
いろんな人やモノが主語(S)に来れます。
ではすべての共通点って何でしょうか。
それはすべて
《名詞のはたらきをする語句》
ということです。
V(述語動詞/Verb)
簡潔にいうと,「動作や状態を表す言葉」です。
be動詞と一般動詞,動作動詞と状態動詞,
自動詞と他動詞など,いろんな分類がありますが…
詳しくは後程ふれていきますので,
焦らず着実に進めていきましょう。
【Quiz】以下の例文において,V(述語動詞)にあたる語句を選んでみましょう。
1. I always drink coffee at breakfast.
2. A little dog was running toward me.
3. Swear words mustn't be used in the classroom.
4. You should have got up early this morning.
5. This kind of custom would hardly be accepted in Hawaii.
O(目的語/Object)
簡潔にいうと,「動作の対象となる言葉」です。
要素でややこしくなってくるのはここからですが,
目的語は「何を[に]」「誰を[に]」の役割を
担っています。
一つ例を見てみましょう。
※わかりやすく和訳も記載しています。
I took.
「私は撮ったんだ/私は連れて行ったんだ」
強烈な文ですね……
もう完全に意味不明,Huh?って感じです。
この意味合いでtakeという動詞を使う場合,
「私は撮ったんだ」とだけ言われても
「は?何を?」と聞きたくなるし,
「私は連れて行ったんだ」とだけ言われても
「え?誰を?」と聞き返したくなりますよね。
これがまさに「動作の対象となる目的語」です。
※take「撮る,連れて行く」という動作の場合,その対象となる言葉(目的語)をつけないと意味が成り立ちません。
【Quiz】以下の例文において,O(目的語)にあたる語句を選んでみましょう。
1. I took a lot of pictures at the park.
2. My brother would often take me to the zoo when I was a kid.
3. My father bought me this fountain pen as a birthday present.
4. The old woman cut down the oak tree to build a kennel.
5. James runs an antique shop in this town.
ここでまた共通点を考えてみましょう。
やはりすべて
《名詞のはたらきをする語句》
ですね。実は
それぞれの要素になれる品詞は決まっているんです。
後半で詳しくまとめておきます。
C(補語/Complement)
いよいよ4つ目の要素です。
簡潔にいうと,「補足説明をする言葉」です。
「ん,どういうこと?ちょっとわからない」
もう少し詳しくいうと,
主語や目的語が
「どういうモノなのか」「どういった状態なのか」
を説明する言葉
です。
※英文内での使われ方によって,主語の補足説明をする補語を《主格補語》,目的語の補足説明をする補語を《目的格補語》と呼びます。
I became.
「私はなったよ」
これまた強烈な文を持ってきました。
「この人はいったい何になったんだ……」
主語(S)に置かれた言葉に関して
状態や様子を後ろで補足的に説明してあげないと,
意味が成り立ちませんね。
この要素が補語(C)になります。
【Quiz】以下の例文において,C(補語)にあたる語句を選んでみましょう。
1. Finally, he became an attorney last year.
2. What happened to him? He looks exhausted.
3. "Why don't we go out for dinner?" ― "Sounds great."
4. The food made him sick.
5. Hey, Mark. Don't leave the door open.
補語(C)の共通点を考えてみましょう。
それは
《名詞もしくは形容詞のはたらきをする語句》
です。
目的語(O)との違いが紛らわしいですよね。
自分も昔はよく引っかかりました。
すごく厄介なところだと思われがちですが,
意外と大したことはありません。
違いを見ていきましょう。
OとCの見分け方
それぞれどんな言葉を表すものだったか,
覚えていますか?
O(目的語/Object)は
「動作の対象となる言葉」
C(補語/Complemet)は
「主語や目的語が《どういうモノなのか》
《どういった状態にあるのか》を説明する言葉」
でしたね。
この表現の違いに最大のヒントが隠れていますが…
補語(C)の入る英文では,
「S=C」や「O=C」の関係が基本的に成り立つ
ということです。
まだ少しわかりづらいですね…
先ほどの例文をもとにすべて確認してみましょう。
※わかりやすく和訳もつけています。
Finally, he became an attorney last year.
「ついに昨年,彼は弁護士になった。」主語(S)のheと補語(C)のan attorneyの間には,he「彼は」=an attorney「弁護士」のイコール関係が存在しますね。
補語の部分で「彼が何者なのか」を補足説明してくれています。
What happened to him? He looks exhausted.
「彼に何があったの?疲れ果てて見えるよ。」主語(S)のHeと補語(C)のexhaustedの間に,He「彼は」=exhausted「疲れ果てている(状態)」のイコール関係が存在します。
先ほどは職業を表す《名詞》でしたが,今度は様子を表す《形容詞》が補足説明の働きをしてくれています。
"Why don't we go out for dinner?" ― "Sounds great."
「夜,外食はどうだい?」―「いいね。」省略された主語(S)のThatと補語(C)のgreatの間に,That「夕飯を外で食べることは」=great「素晴らしい」のイコール関係が存在します。会話では主語が省略されてしまうこともありますので要注意。
The food made him sick.
「その食べ物は彼を病気にさせた。」
=「彼はそれを食べて気分が悪くなった。」himは動詞(V)のmadeの目的語(O)にあたる言葉です。ちゃんと目的格(3番目)の代名詞が使われていますし,主語(S)のThe foodと目的語(O)のhimの間には,イコール関係が存在しません。
目的語(O)のhimと補語(C)のsickの関係性はどうでしょうか。him「彼」=sick「体調が悪い」の関係が存在しますよね。
Hey, Mark. Don't leave the door open.
「ねえマーク。ドアを開けっぱなしにしないでよ。」命令文ですから主語(S)のYouは省略されています。the doorは動詞(V)のDon't leaveの目的語(O)。You(S)とthe door(O)の間にイコール関係はないですね。
目的語(O)のthe doorと補語(C)のopenの関係性はどうでしょう。the door「ドア」=open「開いている状態」のイコール関係が存在します。
先ほど見た通り、C(補語/Complemet)は
「主語や目的語が《どういうモノなのか》
《どういった状態にあるのか》を説明する言葉」
ですから,補語(C)の入る英文では
S=C,O=Cの関係性が基本的には成り立つわけです。
ここまで見てきた4つの要素
S(主語/Subject)
V(述語動詞/Verb)
O(目的語/Object)
C(補語/Complement)
が英文の構成に必要な要素となります。
最後の5つ目の要素は,
英文構成に関係のない,いらない要素です。
M(修飾語/Modifier)
最後の要素は修飾語です。
その名の通り「何かを修飾する言葉」です。
この修飾語(M)はなくても英文は成り立ちます。
今まで出てきた例文をもとにQuizです。
【Quiz】以下の例文において,M(修飾語)にあたる語句をすべて選んでみましょう。
1. She runs in the park every day.
2. I always drink coffee at breakfast.
3. A little dog was running toward me.
4. You should have got up early this morning.
5. My brother would often take me to the zoo when I was a kid.
6. My father bought me this fountain pen as a birthday present.
7. The old woman cut down the oak tree to build a kennel.
修飾語としてはたらく言葉は
《形容詞》と《副詞》です。
《形容詞》は
「名詞を修飾する言葉」
《副詞》は
「名詞以外(動詞・形容詞・ほかの副詞)
を修飾する言葉」
決して一単語だけとは限りません。
形容詞句(節)や副詞句(節)と呼ばれる
形容詞や副詞のはたらきをする語句のかたまりも
修飾語(M)になることがあります。
詳しくは第3講でご説明します。
第1講のまとめ~重要事項~
この第1講で大切なのは
英文の要素の把握とその意味,
さらにその要素を担える品詞です。
省略記号 | 担える品詞 | 語の説明 |
S(主語) | 《名詞》相当の語句 | 英文の主役となる言葉 |
V(述語動詞) | be動詞や一般動詞 | 動作や状態を表す言葉 |
O(目的語) | 《名詞》相当の語句 | 動作の対象となる言葉 |
C(補語) | 《名詞》《形容詞》相当の語句 | 主語や目的語の補足説明をする言葉 |
M(修飾語) | 《形容詞》《副詞》相当の語句 | 何かを修飾する言葉(いらない要素) |
第1講の内容はここをしっかり押さえておきましょう。
正直,ここまでしっかりと読み切った方は
おめでとうございます。
ほぼ勝ち組の仲間入りです。
そのまましっかりとついてくれば
あなたは絶対に志望校に合格できます。
英検の取得やTOEICの目標スコアも
容易に達成できますよ。
それぞれの品詞に関しては
次の第2講でご説明しますので
ご安心くださいね。
英文法特講の目次~第1章~
今回は,
「第1章 英文を構成する基礎・基盤」の
第1講 英文を「読解」するための要素の把握
について解説してきました。
ではまた, 第2講 品詞の分類とそのはたらき でお会いしましょう。
第1章 英文を構成する基礎・基盤
- 第1講 英文を「読解」するための要素の把握 ←今ココ
- 第2講 品詞の分類とそのはたらき ←次ココ
- 第3講 句や節とそのはたらき
- 第4講 文型(文の型の分類)
- 第5講 自動詞と他動詞